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WILLYS MD M38A1

 通称『アイゼンハワージープ』『ブルドッグ』と呼ばれるM38A1は朝鮮戦争末期からベトナム戦争にかけての長い間米軍を代表するジープとして活躍しました。
 同時に、同時代のM48『パットン』中戦車やM1『ウォーカーブルドッグ』軽戦車がそうであったように、又M38A1の民間型であるCJ5, CJ6と同様、西側各国に輸出及びライセンス生産され、冷戦時代の西側を代表するジープとして当時のアメリカの力を全世界に印象づけました。
 外形的にもMB, M38のゴーデビルエンジンから高出力のハリケーンエンジンに変更されたことに伴って大型化された車体は50年代のアメリカ民間車同様グラマラスで個性的なデザインとなっています。
 ウイリス最後のジープとなったM38A1の高い信頼性は、耐用年数を過ぎて米軍から払い下げられた車体をイスラエルを初めとする中東各国が大量に購入し、中東戦争に於ける主力ジープとして過酷な条件のもとで大活躍したことでも立証されています。


WILLYS MD M38A1

トゥーバー
ジープは通常37mm対戦車砲を牽引しますが、2台のジープを連結することで8輪駆動として車体より大きな105mm榴弾砲を牽引しました。

M100トレーラー
MBで採用されたMBTトレーラーに代わってタイヤサイズを車体と共通化したトレーラーです。

塗装とマーキング
アメリカ陸軍 基本色はオリーブドラブ、フード側面に車体ナンバー、前後バンパーに部隊マークが共に白で書かれています。普通フード上面に15インチスター、サイドパネル後方6インチスターが書かれていました。
アメリカ海兵隊 フォレストグリーンの基本色の上から黄色の車体ナンバーと部隊マークが付きます。
アメリカ空軍 エアフォースブルーの基本色に黄色でマーキングを施しました。
NATO軍 ダークグリーンの基本色の上から黒の迷彩塗装施されました。
イスラエル陸軍 全面サンドで塗装され、フード側面に帯状の黒の上から白で車体マークが書かれていました。 イスラエル軍の車体はラジエター全面に防砂スクリーンを装着し、ウィンドシールドを取り外すほか、コマンド部隊使用等の様々な現地改造が施されました。
韓国軍 現用米軍に見られるような4色迷彩が施されました。

※解説文は1989年当時の資料による物です。あらかじめご了承下さい。



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