さて前回はレジンキット一般、およびプラモデルにも共通した基本的な道具や作業を中心に紹介しました。今回は本シリーズ、ケツイ タイプA、Bの最も特徴的な部分を集中的に解説していきます。

 前回解説した尾翼等のリブシステムも重要ポイントの一つですが、これから説明する、取付ダボとダボ穴によるはめ込み方式を採用していることが最重要ポイントでしょう。これは瞬間接着剤でしか接着出来ないレジンキットの弱点を改善するもので、簡単、確実に組み立てることが出来るのです。ただ、シリコン型による生産方法の都合で、ダボ穴が埋まってしまっている場合があり、これを再び開口してやることが今回の最重要課題となります。

 それでは今回も張り切っていってみましょう!


 「ピンバイス」といっても聞き慣れない方もいるのではないでしょうか?簡単に言えば、細いドリルのことで、商品は、ドリル刃と持ち手部分が別々になっています。また刃は一本ずつ単品、数〜数十本セット等様々です。
 写真は右から3ミリ、2.2ミリ、1.6ミリ、1.2ミリ、1ミリのバイス刃です。なぜ2.2、1.6等、半端なサイズなのかというと、原型に使用しているプラ材がこのサイズなので、刃も中途半端なサイズになっているのです。お手数ですが必ずサイズ通りのバイスを揃えて下さい。1.6ミリ以下のバイス刃はセットでも購入できますが、2.2、3ミリは単品での購入になると思います。
 本キット組立には欠かせないツールになりますので、模型店、ホームセンターなどで購入しておいてください。



ここでは動画で解説をしています。
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 こちらはピンバイスの持ち手。もっともポピュラーなタイプを動画で説明しています。
 これ以外でもチャックが固定式のもの、刃も固定式のもの等、サイズ、価格等いろいろあります。



 生産上の都合でこのようにダボ穴が埋まってしまっていることがあります。埋まった穴に相当するダボの方を切り取ってしまい、強引に接着するのも一法ではありますが、再開口する方法を推奨、解説していきます。

 まず、開口するダボ穴が、先に説明した5種類の刃の内、どのサイズに該当するかを確認してください。次に埋まったダボ穴の位置を確認します。開口位置がずれるとスムーズに組み立てられないばかりか、キットを破損してしまう場合もあるので慎重に作業してください。



 開口位置が決まったら、垂直に開口出来ているかが問題になります。ここは1.2ミリなので、多少曲がっていても問題ありませんが、2.2ミリ以上の場合は無視出来ないので、慎重に作業してください。

 主翼などの薄いパーツの場合、角度を失敗すると、突き破ってしまい、即パーツ破損につながります。様々な角度から確認しながら作業してください。



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 ここまでの説明で解りにくいニュアンスや力加減は、この動画で確認してください。皆さんの想像より力を入れていないことが解ると思います。



Coffee Break - 初代のニッパー制覇

 プラモの基本ツールであるニッパー。意外にけちって「やや」安いものを愛用している方が多いようで。
「やや」と言ったのは、本命のタミヤ「薄刃ニッパー」より数百円程度安い物を多く見かけているからである。
この数百円でどれだけ大きな違いがあるか!私は万円近いものも持っているのだが、金属組成的に耐久度は高いが、切れ味は薄刃ニッパーとさほど変わらない。ところが薄刃ニッパー未満のものは、とたんに切れ味が半分以下に下落してしまう。ニッパーの切れ味が悪いと、それ以降の仕上げ作業がとたんに倍増し、時間も手間も桁違いに増えてしまうのだ。
 たかだか数百円の違いでそんな思いをすることはないと思うのだが...。

 ただし今回の講座に限り、爪切りやネイル用のものも認めるものとする(女性限定)。



 ほとんどのパーツは今までの説明で開口出来ると思いますが、パーツによってはあまり厚みがないために、貫通してしまう場合もあるかもしれません。

 このメインエンジン上部パーツも開口長がとりにくく、破損する可能性が高いもの。万が一貫通すると大変目立つ位置なので、修正も難しいでしょう。



 まず必要な開口長がどれ位であるのか、写真のようにパーツに当てて測定するなり、、ダボの長さを測るなりして決定します。ここは正確に測定してください。

 次に開口長に合った刃の長さを決め、その部分にマスキングテープ等を巻きます。ガイドとしての強度や、開口する力加減を考えて3〜4回も巻けば十分でしょう。



 こうすることで、必要な深さまで開口するとテープに当たり、十分開口されたことが解ります。とはいえ紙テープですから、余計な力を入れてはいけないのはいうまでもありません。

 きちんと開口したつもりでも、いざパーツを組んでみると、が〜〜ん!この様にずれてしまっている場合もあるでしょう。僅かなずれであれば力任せに修正する手もありますが、ここまでひどい場合はきちんと修正した方が良いでしょう。



 このずれは機首パーツ左側のダボ上面が当たっているので、カッターで1/3位削ると良いでしょう。一度に削るとダボ自体が折れてしまったりするので、少しづつ削いでいく感じで作業します。

 何度か仮組してみて、この程度まで削りました。くれぐれも削りすぎない様に注意して慎重に仮組を行いながら作業してください。細くなりすぎては元も子もありません。



 修正作業が終了して、正しい位置に組み立てられました。「めんどくさいから両方切り飛ばして強引に接着!」などと早まらないようにしましょう。

 今度は機首下面パーツと、インテイクパーツにずれが生じました。
 角度的にはあまり問題ありませんが、明らかにインテイクパーツが左に寄っています。



 今回はパーツが傾いているのではなく、パーツごと左に寄っているので、両側ダボの右側面を削る必要があります。削る要領自体は前回と同じです。

 両側のダボを削りました。左側のダボは、上面も当たっていたので、上からも削ってあります。ここでも慎重に仮組が必要であることは言うまでもありません。



Coffee Break - 初代のペーパー制覇(さらにうんちく編)

 紙ヤスリは研磨剤の種類(珪砂、シリコンカーバイト等)、研磨剤を定着させている接着剤の種類と地(紙、布、フイルム)の性質によって耐水性のあるものと、ないものに大別できる。シリコン系研磨剤、樹脂系定着剤、耐水シート等の組み合わせで、耐水性のあるもを「耐水ペーパー」、紙に珪砂、糊と言った茶色の旧タイプ等は単に「ペーパー」と呼ぶ。余談だが、布を使用したもの(ほとんどの場合非耐水性)はなんと「布ペーパー」と呼ばれている。

 レジンキットなど樹脂に使用する場合は、研磨摩擦による、温度の上昇で樹脂が焼き付くのを防ぐため(埃が飛ばないからというものもいる)水をつけながら研ぐ「水研ぎ」適しているため、耐水性の使用を奨める。また単純に耐水性製品の方が品質も高い。

 普通A4変形サイズ位で販売されているので、5〜6センチ角位に切り、曲面、広い平面ならそのまま、狭い面、エッジ近辺なら、一度折るなどし、強度を高めて使用すると良い。上級使用では、プラ版や、パイプ、木片などに一度貼って作業すると、より高精度の仕上げが可能となる。ヤスリ面に樹脂がこびりついたり、手触りがソフトになるなど摩耗してきたように感じたら、早め早めに面を交換するのがこつ。樹脂がこびりついた状態で研磨すると、樹脂を樹脂で擦ることになり、想像を絶する傷を作ることになる!全模型製作実時間中、実に50%以上を占めると言われているペーパー作業、「ペーパーを極める」=「模型を極める」と言っても差し支えはないだろう。



 修正によってきちんと組み立てられました。左右位置、角度とも良好です。この様にたいていの失敗はリカバー出来ます。多少の失敗で気を落とさずに頑張ってください。

 それでは今回までのまとめとして、エンジン〜主翼パーツまでを組上げて見ましょう。
 前回バリを修正したノズルパーツですが、いざ組もうとすると接合面に僅かなバリがあることが解りました。



 こういった部分は三角ヤスリを使って仕上げるのがよいでしょう。カッターやペーパーではきちんとした平面が出にくいので、組んだときに隙間が出てしまうことがあります。

 こちらは主翼の黒いラインになるパーツ。
 せっかく精密なリブがあるのですが、ヤバめな所にバリが出てしまっています。重要な部分なので慎重に作業します。



 まずカッターを使用して丁寧に処理していきます。組んだ時隙間があると目立つ部分なので、削り過ぎたりしないよう細心の注意が必要です。

 次に三角ヤスリを使用して、丁寧に平面を出してやります。リブに沿わせるようにしながら動かしますが、力の方向を間違えるとリブの方を削ってしまうので注意しましょう。



 主翼側のパーツと仮組を行ってリブの噛合、隙間のチェック等をしておきます。主翼側はインテイクパーツと組み合わせて、開口も済ませてあります。



ここでは動画で解説をしています。
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 ではお馴染みの動画にて、エンジン〜主翼までの組立をご覧ください。前回説明したリブシステム、今回のダボを組み合わせた複雑な噛合になっています。
 これはかなり欲しくなる映像ですぞ〜。




 前回と今回の講座で基本的な組立は全て説明しました。いかがでしょうか?
一般のレジンキットとどこが違うのかお解りいただけたでしょうか?説明通りの作業を行えば、接着なしでも十分形にすることが出来ます。

 とはいえ、修正した部分等は十分な噛合強度を保てない場合もあります。そのため、第三回講座では接着剤と基本的な接着作業を説明します。
ご期待下さい。

鋭之介 “初代” 日野

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