ついに本講座も最終回!ここまでパーツの切り出しや、ゲート処理、ダボ穴の開口から接着、前回は墨入れと、駆け足でしたが全ての行程を説明してきました。

 今回は最後の仕上げ、デカール貼りです。最近の若いユーザーはもしかしたらご存じないかもしれませんが、「デカール」とは、スライドマーク、水転写シールとも呼ばれ、模型業界ではかなり歴史があり、且つ現在も主流として存在している重要なアイテムです。

 昔はかなり苦労して貼っていましたが、現在では便利なアイテムも発売され、ぐっと簡単、綺麗に貼れるようになりました。今回はデカールを綺麗に貼るコツを説明しながら、最後の仕上げ、組立、完成までを解説します。


 機体はついに完成しました。本キットにはご覧のような本格的なデカールがついています。これから水転写デカールの貼り方をいくつか説明しましょう

 水転写デカールは水に浸けて使用するのですが、一度に濡らしてしまうと収拾がつかなくなるので、これから貼る数枚分ずつを一度切り取ります。



 適当な器を用意して、水を張ります。
 先ほど切ったデカールを水に浸します。

 しばらくすると糊が溶けてデカールが台紙から動くようになるので、自然に浮いてくるまで放っておきます。



 これがデカール貼りの友、マークソフターです。これはデカールを軟化させる薬品で、柔らかくなったデカールは、曲面、角、凹凸に馴染みやすくなり、きれいに貼ることが出来ます。

 パーツのデカールを貼りたい部分に、予めソフターを塗っておきます。



 自然に浮いてきたデカールをピンセットでつまみ、軽く揺すり水分、糊分を落として引き上げます。

 ソフターの上からデカールを貼り、速やかに位置決めをしたら、そのまま放置します。
このときソフターや水分が多すぎてデカールが動くようなら綿棒などで吸い取りましょう。



 三〇分ほど放置し、八割方乾燥させます。もし気泡が入っているようなら押し出すなりして表面を整え、エッジをきれいにしつけます。うまくいかない時は僅かにソフターを付けてしつけます。

 各デカールを貼って組み上げたコクピット部分。
 スケール感たっぷりのコクピットレイアウトになりました。



Coffee Break - 初代のデカール制覇(実践編)

 デカールとは、予め糊を塗って乾燥させた台紙の上に、ベースフィルム(ニス)を印刷し、その上に図柄を印刷してあるのだが、軟化云々、密着云々はこのベースフィルムの問題である。 ベースフィルムのソフター耐久力は、一瞬で溶けてしまうものから、ほとんど変化のないものまでまちまちで、厚ければ強いとも限らない。対応策はまずテストを行い、弱いタイプであれば、ソフターを若干水で薄めて使用すると良い。

 ソフターはデカールとキット面の間に入らなければ本来の効果が望めないという点も重要である。デカールを貼った上からソフターを塗ると、見た目にはしわが寄り軟化して見える。しかしキット面との間には、水分と糊分があるので極端に薄まった溶剤成分しか到達せず、密着は得られない。完全溶着したデカールは、一切の糊分を廃した状態でも、再び剥がすことは不可能となる。

 また、グロス塗装面は上手に貼りやすいが、つや消塗装面ではシルバリングが起こりやすい。これはつや消面の細かい凹凸にデカールが密着せず、凹の部分が気泡になってしまうためと、糊分が乾く時発砲しやすいためである。対策として、糊分を完全に洗い流した上、水分も拭き取り、最も濃い状態のソフターで完全に溶着してやればよい。それでもシルバリングするなら完全乾燥する前にオーバーコーとしたか、コート時の湿度が極端に高いかではないだろうか。



 次は飛行機特有の超細かいデカールを貼ってみましょう。こういった細かいデカールの場合、危険なのでソフターの使用は控えた方が無難です。一度水に浸けてすぐに台紙ごと取りだしておきます。

 しばらく放置して、台紙上で楽に動かせるようになったら、慎重にピンセットで持ち上げましょう。



 この場合デカールについている糊分だけで貼るので速やかに指定の位置に置き、慎重に位置決めをします。ほんの僅かなことでも切れてしまいますから気をつけて!

 位置が決まったら、綿棒を使って慎重に水分、糊分、気泡などを追い出して下さい。



 いかがでしょうか?こういった微細なデカールが1/100のスケール感を高めるのです。



ここでは動画で解説をしています。
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 デカールは大きくなればなるほど扱いが難しくなります。細ければなおのことです。この位のサイズはやや難しい部類に入るので、動画で扱い方のコツをご覧下さい。



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 モールドの多い部分に貼るデカールは一般の貼り方だと完全に密着させるのが難しく、美しく仕上がりません。そこでこのプロ仕様テクニックを是非身につけて欲しいものです。



 プロ仕様の貼り方は決して簡単ではありません。仕上がりは多少見劣りするものの、最も安全な貼り方も説明しておきます。
 この場合は、水に浸けたらすぐ引き上げて下さい。

 台紙の上でデカールが動くようになったら、貼りたい部分に台紙ごと乗せて、位置を確認して下さい。



 デカールの端をつまんで主翼上に乗せ、デカールを押さえながら台紙をスライドさせるように引き抜きます。

 乾いてしまわないうちに、細かい位置調整をして下さい。



 余分な水分、糊分、気泡などを綿棒でそっと押し出します。このとき擦るのではなく、綿棒の先を転がすようにするとうまくいきます。

 1〜2時間ほど乾燥させて終了です。この方法なら初心者でも失敗しないと思います。おためしください。



Coffee Break - 初代のエッチングソー制覇

 こんなもの模型以外で使うことがあるのだろうか?さすがに樹脂以外切れそうもないし、切断するとなると樹脂でもツライものがある。基本的には筋彫りの道具だ。本講座でもそういった用途で紹介しているが、商品によって三種類位厚みの差がある。

 もっとも薄いタイプは0.03ミリ以下で、かなり繊細且つ脆弱。ちょっとしたことで曲がってしまうし、切れ味もすぐ落ちる。ただし繊細なモールド、筋彫り製作には欠かせない。

 もっとも厚いタイプは0.5ミリ近い。これだと切断も行える反面、筋彫りにはちょっと苦しい。非常に長持ちはするのだが。

 後はその中間タイプ。0.05〜0.1ミリ位のもの。この位が一番使い易いだろう。
 ただし最大の問題は、商品にはたいてい厚みの表示がない点なのだ...。



 クリヤーオレンジで成型されたキャノピーパーツ。ただよく見ると若干曇りがあるような...せっかくなのでこれを塗装で光らせてみましょう。
 ただしこの場合離型剤をきちっと落としておかなくてはなりません。(第三回「初代の離型剤制覇」参照)



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 まずプライマーとしてテロソン「ミッチャクロン」を吹きます。これは私の知る限り最も信頼性の高いプライマーで、塗料型ゴム糊とでも言うべきものです。



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 乾燥後、クリヤーのラッカーでコートします。クリヤーの場合は少しずつ吹くとざらざらになってしまうので、一気にコートしてしまうのがコツです。



 クリヤーでコートされたキャノピー。この位つやがあると航空機のキットとして十分なスケール感と言えるでしょう。



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 キャノピーと同様の手順で、本体もクリヤーコートしたので、デカールの透明部も目立たなくなっています。ランディングギヤーコクピットなどはつや消しで仕上げてあります。



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 いよいよ完成です。デモ映像のようですが、もしまだ購入していない方は最後のチャンス!
欲しくなったでしょう?




 皆さん最後までおつきあい下さいまして、本当にありがとうございます。

本講座はあくまでも「初心者の皆さんに、出来るだけ簡単に、最小限のツールで完成を!」を念頭に行ってきました。ですから多少経験のある方にはもの足りなかったかもしれませんが、内容は十分本格的だと自負しております。

これを参考に若い人、もう全然若くない人、そして女性の皆さん、一人でも多くの皆さんが実際に手にとって、組立、完成していただければ、こんなに嬉しいことはありません。

鋭之介 “初代” 日野

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