★ Coffee Break - 初代のデカール制覇(うんちく編) ★
俗に「デカール」こと水転写デカール。水転写シール、水シール、スライドマーク、多くの名称を持つこのアイテム、電撃の社長曰く「昔、水で貼るのがあったよね」とおっしゃるほどの長寿アイテムである。インレタこと、ドライデカール登場の折、衰退の気配を見せたものの、耐久性において軍配が上がると、再び主流の座を確保した。私見でも印刷の美しさ、薄さ、定着性の良さ、耐久力(対経年性) においてダントツである。
若年のユーザーは当然知り得ないことだが、昔はお湯や蒸しタオルを使用して軟化させ、密着に努めた。定着面でも薄めた木工用ボンドを使用するなど荒技が多用され、シルバリング(デカールとキット面の間に細かい気泡が入り、白っぽく光ってしまう現象) 対策として、シンナーで貼るという強者もいた。この時代、デカールを貼ることは職人芸の域だったのである。
事態を一変させたのは、クレオス「マークソフター」の発売である。これはデカールが印刷されているニス(透明のベースフィルム部分)を軟化させる水性溶剤で、塗るだけで完全な密着が得られ、キット面に溶着されるため糊分をも必要としない。ただ、使い方を誤るとデカールが原形をとどめぬほど溶けてしまうという欠点もあるので、これさえあれば誰でも職人、というわけにはいかない。
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